焼尻島では7月21日から１ヶ月間、宝探しイベント【宝島～焼尻の財宝伝説～】を行っています。

詳しくはこちら　宝島〜焼尻の財宝伝説〜

これは島を舞台に謎解きをする体験型イベントで、昨年（2013年）2月に設立されたばかりのイベント制作会社・トムソーヤ様が中心となり、羽幌町、旅行会社が手を組んで開催へと繋がったものです。

今回、僕も受付スタッフとして参加させて頂いているのですが、このイベントを通じて感じたことをまとめてみたいと思います。

この宝探しの流れを簡単に説明すると、

（１）島に到着し、観光案内所へ向かう

（２）前売り券、または当日券にて受付し、初級の問題を持って謎解き開始。

（３）初級が解ければ、中級、上級、極上と段々難しくなっていく謎解きに挑戦できる。

（４）謎解きを達成すると、抽選で豪華景品が当たる権利を獲得、1等は賞金30万円。まさに財宝。

（５）初級クリアで1口、中級で2口、上級で3口、極上で5口の応募。

……という具合です。解けば解くほど難しくなっていき、早い人でさえ、極上までクリアするには丸一日、もしくはそれ以上の時間がかかっています。

8月16日現在、開催期間も残すところ4日となりましたが、すでに羽幌町が目標としていた参加人数200人は軽く超え、頑張れば600人に届くかも知れないという勢い。どこまで伸びるか、期待したいところです。

そのため、沖縄、伊豆・小笠原諸島みたいに、観光地として名高い島々のような真似はできないのが現状です。

「シーカヤックはないの？」「フィールドガイドはないの？」「レンタカーはないの？」といった声もちらほらお受けしましたが、人口200人弱の島ですべての要望にお応えするのは難しいかと思います。

しかし、この宝探しの興味深いところは、「お客さんが能動的に行動し、時間をかけて楽しんでくれる」という点。

謎を解くため、豪華景品を得るため、という目的があるがゆえに、自分で考えて行動し、島のあらゆる場所へ行くことになります。従来の焼尻島観光ではおそらく訪れないだろう場所にも行くことになりますし、謎解きを通じて島に対する知識を深めることもできます。

「お客さんが今までと違う動きかたをしてるよね」とは、島のお土産屋さんがつぶやいたことば。

おそらく、このようなイベントがなかった去年までとは違うカタチの、島の楽しみかたを提案できているんじゃないのかな～なんて感じます。

今後、僕が地域おこし協力隊として島の観光に携わる以上、焼尻島を舞台にどういう楽しみかたができるかを、考えていかなくてはなりません。

島をいくつか旅して歩いた経験則から言うと、やはり、人口が少ない島ほど遊びの選択肢は狭くなります。もちろん、能動的に楽しめるなら問題ないと思いますが、そんな人ばかりではありません。

個人的には、島が活気溢れる観光地となるためには、受け身のお客さんでも楽しめるような、訪れた観光客を1から10まで引率するようなサービスがもっと増えるべきだと考えていました。

それだけに今回の宝探しは目から鱗。

舞台を用意し、最低限の説明こそ必要なものの、あとは「お客さんが能動的に行動し、時間をかけて楽しんで」くれます。

「観光客の能動性を促す」と言えば良いでしょうか。

おそらく、このような観光提案はまだまだ少ないと思いますし、どうすれば正解かもわかりません。

ただ、ひとつの手段として勉強を深めていきたいと感じた次第です。