羽幌町地域おこし協力隊、4ヶ月めにして思うこと

日本全国、地域おこし協力隊はたくさんありますが、羽幌町の地域おこし協力隊は今の3人が初めてです。

つまり、何をやるにしても手探り。

そんななかで、自分が感じていることをまとめてみました。

 

 
海を隔てた3つの地域の隊員が、ひとつのことに取り組む難しさ。

改めて整理すると、僕ら羽幌町地域おこし協力隊の3人は、市街地、天売島、焼尻島と3つの地区を担当しています。

 

それぞれがそれぞれの場所で活動を行う一方、3人で一緒になって取り組むものもあるのですが、2つの離島と対岸の市街地でひとつの羽幌町になっているのが、この町の難しさ。

正直なところ、日ごろから会って話したいタイミングで会えないもどかしさがあります。

観光シーズンが近づき、間もなく船の本数は増えますが、現状は1日1往復の船しかありません。

メールや電話などで会話をすることも可能と言えば可能。

しかし、それでも伝えたいことがどこまで伝わっているかはわかりません。

おそらく、ほかの2人も同じような気持ちでしょうし、もっと言えば、僕らに限らずそのように感じている町民は多いと思います。

 

余談ですが、19日~20日の土日で天売島に行ってきました。

協力隊員として天売島へ行くのは初めてのことでしたが、天売島隊員の宇佐美さんと意見を合わせながら、仕事について考えることは非常に有意義でした。

宇佐美さんと意見を共有するにしても、電話やメールで話すよりも非常にスムーズ。

天売島の雰囲気や、「天売島での宇佐美さん」を知れたことで、今までできていなかった配慮や提案ができる気がします。

「自分が属さない地域を肌で感じること」こそ、羽幌町においては大切なことなのかもしれません。

 

 
自分の立ち位置を明確にすることの難しさ。

もうひとつ、難しいのは、その地域における自分の立ち位置をどうするか、という点。

 

地域おこし協力隊の3人で取り組む仕事がある一方、焼尻島の中では、島のために活動したいと思っています。

とはいえ、本州から引っ越して間もない自分が、ひとりで出来ることなんてほとんどなく……、やはり、島民の方々の力を借りることで、どうにかこうにかやれているのが現状です。

おそらく、他の2人にも、それぞれ自分しかわからない地域活動が存在するはずです。

それはそれで当然の話です。

ですが、それゆえに、3つの地域の事情、3つの地域での活動があるがゆえに、「地域おこし協力隊として3人で足並みを揃える」、これがムツカシイのもまた事実。

 

3つの地域に、羽幌町地域おこし協力隊の隊員は1人ずつしかいません。

僕個人でいえば、この肩書を持つ人間が島に1人しかいないという心細さはかなりのものです。

「地域おこし協力隊の実績」と呼べるものを確立するには、3人でなんとかしたい。

けれど、それぞれの地域で単独で活動する以上、3人とも「誰かのお手伝い」もしくは「地域内の組織の一員」となって活動せざるをえません。

その瞬間、「地域おこし協力隊」としての活動が曖昧になってしまっている現状があるのです。

もちろん、「誰かのお手伝い」もしくは「地域内の組織の一員」となって活動することも、非常に有意義に感じています。

そういった環境下で仕事をさせてもらえることにも感謝しています。

しかし、いざ「地域おこし協力隊」という肩書で何かをしようというとき、同じ立場の仲間が、同じ場所にいてほしいと思ってしまいます。

 

僕のこの考えは贅沢なのか、甘えなのか、それともまっとうな意見なのか、自分でもよくわかりません。

ただ、今後羽幌町の定住促進が進めば、僕らのような“よそ者”が、羽幌町の何かに惹かれてやってくるはずです。

だからこそ、今僕がこうして感じることは、きっと後々の役に立つはずだと思っています。

 

 
協力隊としての取り組みを明確にする時期。

僕で言えば、現状は隣島・天売島を舞台とした「婚活ツアー」の主催、焼尻島内で行われる「サフォークまつり」における業務、週に1度のデイサービスの訪問、自身の勉強を兼ねた島内配布のミニコミ誌作成と取材、札幌など島外で行われる広報活動・研修・視察など、地域おこし協力隊らしい活動は色々とやってます。

 

どれもやりがいのある内容ですし、自分ならではの提案が受け入れられ、新たなものを生み出す手ごたえを感じられたときもあります。(最近ではこれ

そんなこんなで、日々忙しくさせてもらっています。

他の2人にしても、3人共通の仕事からそれぞれの地域に合った仕事まで、色々やっていると思います。

 

……ですが、将来それでメシが食えるかと言えば、やはりそういう仕事ではありません。

地域に馴染むために……と、何かのキッカケとして色々な種類の仕事ができることは非常に有意義です。

けれど任期後に「メシを食うための仕事」を獲得していなければ、よくわからない3年で終わってしまうことも明白です。

地域おこし協力隊という仕事は、募集段階で業務が明確にされている場合とそうでない場合とあり、羽幌町は後者。

自分の理想を追い求める意味ではメリットですが、レールのない道を切り拓いていかなくてはなりません。

 

さて、最大3年という限られた期間のなか、現在4ヶ月め。

「誰かのご協力がなくてはやっていけない」という厚かましい立場ではありますが、「地域の便利屋」で過ごしていては、3年後には羽幌を離れることになると思っています。

そういう意味でも、協力隊としての取り組みを明確にする時期に来ているように思います。

……とは言え、現状は冒頭で述べた仕事で手一杯。

ただ、その仕事を終えた先のことは今からでも考えられます。

「イメージする時間」、今はこの時間を大事にしています。

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