アウトプットのススメ。離島暮らしをアウトプットすることで改めて感じた地域おこしのヒント。
こんにちは。
カフェでノートパソコンを開いてノマドワーカー気取りの僕です。
さて、実は現在地元・関西に帰省しており、実家ライフを絶賛漫喫中でございます。協力隊として焼尻島を訪れて以降、初めての帰省。島の何倍もせわしない地元ですが、これはこれでめちゃくちゃ落ち着くから不思議です。
今回は、おそらく年末年始以外で唯一の帰省になりそうなので、帰省したからこそ気付いた話でも書こうかと思います。
6ヶ月間ほぼずっと島にいたので、当然、地元の親族や友達と会うのは半年以上ぶりです。
お陰さまで毎日のように誰かと会って話をしているのですが、意外とみんな僕のことを気にしてくれているようで(?)、島の話をやたらとよく聞かれます。ありがたいことです。
……が、気付いたらほぼ同じ話ばかりしてました。笑
「そもそもなんで島に行ったのか」
「協力隊の仕事と島での立ち位置」
「苦労話いろいろ」
「部屋にやたら虫が出る」
「おすそわけがありがたい」
「島に若い女性がほとんどいない」
僕は焼尻島に住んで6ヶ月程度ですから、島の中では未だにわからないことだらけです。しかし、ここ地元・関西に、6ヶ月も島暮らし経験のある人間がほかに何人いるでしょうか。そう思うと、きっと、僕なんかでもそれなりに珍しい話ができているのだと思います。
「同じ話を繰り返す」なんて面倒くさいように思われるかも知れませんが、これが意外と楽しい。自分にとっても非常に有意義に思えました。
そして、同じ話を繰り返しているうちに、色んなことに気付きました。
中でも強く感じたのは、「アウトプットの重要性」です。アウトプット=出力するという意味。今回のような、誰かに自分の身の上話を繰り返すってのもアウトプットです。
せっかくなので、良かった点をまとめてみたいと思います。
(1)自分が経験したことを、順序だてて整理することができる。(ストーリーができる)
一番はコレです。何度も同じ話をしているうちに、自分の経験が時系列で整理されていくのを感じました。たとえば、僕自身が焼尻島へ行こうと決めたのも、学生時代に島が好きになり、社会人時代に他の島々で活躍する人とお会いしたことがきっかけです。
もちろん、掘り下げればさらに細かい経緯があります。
「島が好きになったきっかけ」を聞かれれば、大学時代に入っていた部活の話をしますし、「今回、焼尻島を選んだきっかけ」を聞かれれば、会社員時代に訪れた島々の思い出話をします。
それらの情報が自分の中できちんと整理されると、順序だてて話ができるようになりました。いわゆる“自分のストーリー”です。コレが話せると、自分にとっては良いこと尽くめだと思っています。その理由は次。
(2)ストーリーが伝わると、興味を持ってくれる人は確実に増える。
今回の帰省で、学生時代の部活の後輩数人と2~3年ぶりに会いました。ふとしたきっかけで「ご飯しよう」となったのですが、やはり社会人ともなれば、お互いの近況報告が酒のサカナです。僕のように、関西の地元を離れて北海道の島へ行ったとなると、「何でそんなことしちゃったの?」となるようです。笑
(でもこれ、田舎に移住した人のほとんどに当てはまる話だと思います)
ただ、地域おこし協力隊にしろ、その他の理由で田舎に引越した人にしろ、そこには自分だけの理由が存在すると思います。できれば、そこを端折らずに、きちんと話すと良い気がします。
僕の場合、「将来どこかの島で宿がやりたい」と思っていたのも、焼尻島に移住した理由のひとつです。「学生時代に島にハマり、焼尻島で宿の開業を目指す」というストーリーがあります。そうすると、焼尻島の存在すら知らなかった後輩たちが、会話の最中にスマホで色々調べたりしてくれました。なんだか、それだけでも無性に嬉しかったです。
変な話、宿の開業は成功しても失敗しても、深みのあるストーリーになると思っています。
(3)よそ者がウケるポイントを教えてくれる。
そうして、地元・関西の友達らと島について話してみると、色んな意見を与えてくれます。
「めん羊牧場で星空映画祭をやってくれたら遊びに行く」「とりあえずミスチルを呼べ」「音楽フェスをやるべき」「直島や佐久島みたいなアートの島ならいいのに」
まぁみんな好き勝手なことを言ってくれます。笑
実現可能かどうかはともかく、焼尻島をテーマにあーだこーだと語り合えたこと自体が、何だか凄い。
なにせ関西だと、天売島・焼尻島の存在すら知らない人がほとんどですから。
本当に有意義な意見に出会えるかもしれないな……なんて思ったりします。
(4)思わぬカタチでサポートしてくれる人に出会える(かも)。
中には、自分の現状をアウトプットしたことで、「できることがあるならサポートするよ」と、声を掛けてくださる方もいました。
例えば、右も左もわからないながらに「宿がやりたい」と言えば、現役で営業されている宿のオーナーさんより。
「インターネットを活用した情報発信の勉強中だ」と言えば、とあるウェブコンサル会社の社員さんより。
以前、サフォークまつりで「Tシャツのデザインを募集している」と言えば、イラストが得意な友達より。
得意分野を活かしたカタチで、助言を頂いております。
正直、特別なスキルの無い僕にとっては、非常に心強く、ありがたいです。
ほんと、「話してみるもんだなぁー!」って感じ。
僕は勝手に島だからこその縁だと思っています。やっぱり、島は凄いです。
(5)環境が違えど、同じ境遇の人は確実に存在するし、しかも心強い。
会話を弾ませていると、不意に「それ、わかります!」と、共感したり、されたりすることが何度かありました。
例えば自分の場合、地域おこし協力隊という立場で、縁もゆかりもなかった焼尻島に移住しました。
その心境たるや「旦那さんの勤務先へ嫁いだ奥さん」のようなものらしく、結婚したての女友達なんかと話が合ったりするから不思議です。笑
つい先日も、中国から嫁いだ僕の伯母と話す機会がありましたが、日本へ留学した当初は知り合いもいないうえ、当然言葉も通じなかったそうです。
それでも学費を稼ぐためにアルバイトに励んだそうですから、自分よりよっぽど大変だったと思うワケです。
何が言いたいかと言うと、地域おこし協力隊という仕事がら不安は多いものの、案外、同じような境遇の人はたくさんいるなー、ってことです。
気休めかも知れませんが、やっぱりそういう存在は心強い。気休め万歳。笑
……と、なんとなく思ったことを備忘録的にまとめてみました。
いやー、アウトプット、オススメです。
そろそろ島へ戻る準備します。