焼尻島を通じて見る「島のお見送り」、「島のお出迎え」の魅力
4月2日です。
昨日はエイプリルフールだったというのに、特別気の利いたウソも言えず。
「協力隊辞めます」とか「結婚します」とか「500万円当たりました」とかリアリティのかけらもないウソしか思いつきませんでした。
ウソがつけない男、おっくんです。今年度もよろしくお願いします。
お見送りの季節、お出迎えの季節
今日で「島に移住する人」が全員そろいました。
逆に「島を出て行く人」も最後の1人を見送りました。
去年まで焼尻小学校のみで焼尻中学校は休校となっていましたが、今年度はそれぞれに児童、生徒が入学の予定。
それにともなって新しい先生も多く来島され、さらなる活気を期待してしまう焼尻島でゴザイマス。
……とまぁ、そういうことをいちいち考えてしまう焼尻島の規模、人対人の距離感は絶妙で、ほんまオモロイ島やなぁ~とつくづく感じたり。
そんなお見送り、お出迎えの魅力を語ってみたいと思います。
お見送りの魅力:①寒くない、暑くもない、絶妙な空気感
雪が解けていろんな新芽が顔を覗かせる季節。
この時期の北海道、内地と違って桜は咲きませんが、それに変わる独特の空気感を覚えるのは僕が移住者だからでしょうか。
震えるほど寒くはないけれど、あたたかいと言うにはまだ早い。
ほどよく“引き締まる空気”だと思うのです。
お見送りの魅力:②最後の挨拶がグッとくる
んで、出港前の港に集まって最後にご挨拶。
こうなったときにはすでに「1対多数」の構図が出来上がっていて、「個人的な最後のひと言」が言いにくい。
もう少し落ち着いていたときに、「ゆっくり話しておけばよかったなぁ」と思ったり。
機会があればまた再会できるでしょうけど、日常生活のなか、たとえば車ですれ違ったときに軽く会釈したり……は、もうありません。
そんなことをいちいち考えると、最後の挨拶がなかなかグッときます。
お見送りの魅力:③「いってらっしゃい」「また帰っておいで」的な言葉がたまらない
最後のご挨拶が終わると、みんなそそくさと乗船してしまいます。
そりゃー当然。時間がくると船は出発するワケで。
この時期に島を離れる人っていうのは、ほぼ100%職場の異動関係。
あらかた期限付きで、故郷が別にある人ばかりです。
そういう人たちに対し、「いってらっしゃい」だの「また帰っておいで」だの、島を起点にした言葉が聞こえてくるのがたまりません。
月並みな言葉で片付けるのもナンですが、いわゆる島のあたたかさってヤツでしょうか。「島そのものが家」ってカンジがするのです。
これは焼尻に限らず、全国の“離島”に対してこんなイメージがあります。
いやー、島ってイイですね。
お見送りの魅力:④テープ乱舞が鮮やか
で、この時期のお見送りに欠かせないのがカラフルなテープ。鮮やかで綺麗でなんか乙です。
焼尻島の場合、テープは港で1個1個配られ、“まとめ役”が何本も束ねて乗船する本人に渡します。
いつどこで発祥した文化かわかりませんが、ある意味「離島では定番」と言って良いでしょう。
何十本ものテープが風に当たって踊ります。
定刻になり、船がゴゴゴゴゴゴ……って動き出すと、指に引っ掛けているテープが
シュルシュルシュルシュルシュル~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
って、なんか言葉にすると安っぽいけど。笑
これがなんともいえない気分になるんです、はい。
で、テープがぷつん!って切れて、「あぁ、離れちゃった」と思った矢先に、汽笛が
プアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
顔には見せませんが、内心(´;ω;` )ブワッですよ。(´;ω;` )ブワッ
いってらっしゃい。
お見送り@焼尻島
https://www.youtube.com/watch?v=SqnfQq_GdXw
お出迎えの魅力:「ようこそ」という言葉の離島感
出る人もいれば来る人もいます。
羽幌から来る便をお出迎え。イイカンジです。
降り立ったときの「ようこそ」で、たぶん緊張が和らいだはず。
そういう姿勢って大事かも知れません。
……って、すっかり島民目線になってしまった感な自分。