Youは何しに協力隊へ?地域おこし協力隊を目指す人が気をつけたいポイントを考える。
こんにちは。
朝晩はかなり寒いながらも、まだ日中は飛び交う虫を見かける程度の暖かさが残っている、そんな焼尻島よりおっくんです。
いやぁしかし、大自然に恵まれた島ですから、ちょっと暖かいともう虫が元気で……、こればかりはちょっと鬱陶しいんですよね。
今も虫を追いかけてるんで、ちょっと待ってくださいね。
まてー
まてー
まてー
あ、すみません。本題に入ります。
先週の土日の話。僕にお客さんがやってきました。お客さんといっても会ったことのない女性。(Iさんって呼びます)
Iさんは、僕が書いているブログを読んでくださったそうで、さらにそこから僕がブログと別に執筆している『地域手帖』を読んでくれたとのこと。その『地域手帖』を運営する亀崎さんを通じて、直接メールのやり取りをするにいたったワケです。
非常にありがたい反面、戸惑いました。
なにせ、遠方は茨城からのお客さん。観光時期を終えた焼尻にわざわざ来ていただけるだけでも恐縮なのですが、相手は地域おこし協力隊を希望しているとのこと。なので、実際に活動している人とその現場を見てみたいというお話でした。
僕が背負い込む話ではないのですが、とはいえ、僕の発言や見解が大いに影響するワケですからやはり責任重大です。
実は僕が協力隊に着任してからの9ヶ月間にも、何度か「協力隊になりたい」という相談を受けており、うち1人は実際に協力隊になりました。
これを機会に振り返りつつ、自分の感じたことをまとめてみたいと思います。
最初に断っておきますが、僕自身、地域おこし協力隊歴9ヶ月のペーペーです。
ただ、僕自身も島で行われる大きな行事をある程度経験し、現在は「次年度に向けて、やりたいこと(企画)を具体化していく段階」です。次年度の予算申請の関係もあるので、今のうちに企画を練らなきゃなりません。
で、この作業をしていると、必然的に数年先の自分や地域をイメージしなくてはならず、以下で述べることの重要さを身にしみて感じています。
地域おこし協力隊になりたい人にはきっと参考になると思うので、よろしければご覧下さい。
募集ページに「受け入れ自治体の具体的なビジョン」が明示されているか
おそらくこれが一番気をつけたい部分です。募集ページを見るとはっきりわかります。地域によって“非常に具体的な募集内容”から、“漠然とした募集内容”まで様々。
やはり「協力隊の人には○○をして欲しい」と具体的に明示されていれば、移住後の食い違いは少なくなってくると思いますし、受け入れ先の住民にも理解してもらいやすいはずです。
こう書くと“漠然とした募集内容”では頼りない気もしますが、それはそれで次に述べる「自分のやりたいこと」がある場合にはかえって好都合かもしれません。
自分の中に「具体的にやりたいこと」があるか
自分の中に「具体的にやりたいこと」がない、だけど田舎暮らしに憧れている……なんて人もいるかと思います。
そういう人の場合、先に述べた「受け入れ自治体側に具体的なビジョン」があれば、それに従って仕事をすれば良いですが、その逆はかなりキツイと思います。やることがないと思うので。
ちなみに……僕で言えば、現在次年度に向けて企画を練っている段階ですが、ふわっとしたイメージだけでは何も進まないことを今まさに実感しています。自分の想いを具体化していかないと何も進まない状況なので、今はその作業に追われています。汗
自分には何ができるか
僕自身、移住して切に感じましたが、正直島では、できないこと、やったことのないことだらけです。身長の倍以上ありそうな旗を立てるとか、消防団の演習でホースを連結するだとか、雪にはまった車を引っ張り上げるとか……何かにつけてお世話になっております。
逆に「自分には何ができるだろう」と考えたとき、最初から地域に役立つスキルを持っていれば理想だけど、そんな人は多くないはず。僕もその一人です。
ただ幸い(?)、協力隊を受け入れるような地域には、足りないものがたくさんあります。
最初はトコトン誰かの世話になると思いますが、いずれお返しできるものもたくさんあると思っています。僕自身はそこを模索していく段階に入った気がしています。
受け入れ地域の現状をどこまで把握しているか
今回Iさんを迎えて島を案内したことで、改めてそれを感じました。僕の場合は、7年前に島を一度訪れていたものの、基本的には一切のツテを持たずの移住。Iさんのように、可能な限り事前に下調べをしておけば、また心構えも違っていた気がします。
もっとも下調べばかりしても仕方がないので、「エイヤッ」で移住するのもアリかもしれませんが、不安要素を少なくしておくほうが良いに越したことはありません。
想像しようのない出来事や何とも言えない不安に向き合えるか
実際に移住すると、自分にとっては経験のない、不測の事態ばかりでした。まさか自宅でナメクジを素足で踏んづけるなんて思ってもなかったですし、部屋に転がってる糞でネズミかイタチかを見極められるようになるなんて思ってもいませんでした。……なんて冗談めいた話もありますが、生々しいところで言えば、「任期後どうなるかが不透明」という不安もあります。
もっとも、任期中の3年間があるからこそ、都会暮らしでは絶対実現できないコト、モノに出会えると思うのですが、どうしても3年間というタイムリミットを逆算すると、危機感を煽られます。笑
「すぐにわかりやすい結果は出ない」と心得てるか
協力隊になった頃は、よそ者目線で「あぁすればいい」「こうすればいい」と吹いていた時がありました。何とも身の程知らずだったな……と、今にして思います。たった8~9ヶ月前の自分のことなのに。笑
実際、僕は何ができているワケでもなく、その割には何かと忙しい日々が続き、行事のお手伝いやらなんやかんやでもう10月になっちゃいました。
10月になってひと段落し、ようやく「~したい」から「~ならできそう」「~する」というものが見えてきた気がします。残り2年3ヶ月の任期で、ひとつひとつ準備を進めていければ……という見通し。時間がかかる取り組みになると予感しています。
思えば僕に限らず、ほかの地域の協力隊だって、1年目からバリバリ成果を出して……という話はあまり聞きません。すぐにわかりやすい結果なんか出ない……という当たり前のことが、今さら身に沁みている僕です。。笑
たぶんあんまり“スローライフ”じゃないけど大丈夫か
それこそ普通の業務時間だけでなく、休日は地域行事が何かと重なってきますので、関わり合いが深くなるほどスローライフとは遠くなるかも知れません。。とは言え、それが楽しいんですけどね。
住民と行政、どちらも距離感がめちゃくちゃ近いけどそれはOKか
上で述べてきたように、都会暮らしと比べれば、地域との距離感は間違いなく近くなりました。僕であれば焼尻島担当ですが、全国的の地域おこし協力隊を見ても、集落ごとに担当が分かれていたりします。ひいては、その地域その地区にどっぷり漬かると言っても過言ではありませんが、一方で協力隊は役場を介して雇われる存在でもあります。言うなれば行政職員、もしくはそれに近い立場でもあるわけです。
行政には行政のルール、地域には地域の習わしがあり、双方を同時に学んでいくことはなかなか難しく感じています。かつての僕はそれらしい近所づきあいの経験も無く、市役所には年に2~3度行くかどうかというレベル。そんな僕にとっては、住民と行政の距離感さえもいちいち新鮮だったりするワケです。
たとえ協力隊でなくとも、過疎高齢が進む人口の少ない地域では住民も行政も必然的に距離が近くなると思います。
……と、なんだかIさんに触発されたので、自分を振り返りつつまとめてみました(°°)
協力隊になる前に上の心構えを持っておきたかったなーっていう話です。
実際は僕みたいなテキトー野郎でも、なんとかなっているんですけどね。
Iさんは、焼尻の後も各地をまわり、来年の協力隊着任を目標に動き回るそうです。
引き続き頑張ってください!( ̄^ ̄)ゞ