地域おこし協力隊として、セミナーや研修に出かけることの意味について考えてみた。
11月は出張が続いておりまして。
11/20~25の『アイランダー2014』の出張に引き続き、今度は東京と札幌での研修、セミナーに参加するため、11/30から出張に出ています。(アイランダーの振り返り話は落ち着いたら日記にします。たぶん。笑)
セミナーのフンイキ
いやー、やっぱ都会はいいですね。
島暮らし人間が言うべきことじゃないかも知れませんが、都会サイコーです。笑
なんでって、ケンタッキーありますもん。
なにせ僕は、出張関係で都会のほうへ出ると欠かさずケンタッキー食うほどの「ケンタッキーボーイ」です。
しかも東京にはケンタッキー系列の唐揚げ専門店『鶏から亭』があるんです。
これがもうたまらなく好き。
どうでもいいですね。本題入ります(・∀・)
地域おこし協力隊という立場上、いろんな種類のセミナーや研修の案内を受けるのですが、最近はこういったセミナーの類に参加することに緊張感を覚えるようになりました。
それは、学んだことを即、活かせるような環境(焼尻島)があるから。
例えば今、月一回のペースで参加している『北の観光まちづくりリーダー養成セミナー』では、道内各地域の参加者と一緒に観光やマーケティングについて、常に実践ワークを行っています。
毎回6~7人のメンバーで事前準備し、情報共有し、役割分担し、効率的に会議を進めていく……という流れです。
実は焼尻島においても6~7人の島民若手で組織を作り、ここ数ヶ月、島の今後を考えるための会議を進めております。
そんなこんなで、学びを即活かせる場面に恵まれているわけです。
ただ、裏を返せばそれもプレッシャー。
地域おこし協力隊と言っても、僕はいわゆる田舎素人、地域おこしの素人なワケです。僕に限らず、そういう人がほとんどだと思います。なので、存分に勉強する必要があるとは思うのですが、勉強ばかりしていても地域に還元できなくては意味がありません。
また、特に最近感じるのは、「自分だけが知識を増やしてもあまり意味がない」ということ。
地域おこし関係のセミナーや研修を通じて、色んな知識を吸収させてもらってます。ただ、その知識を自分の地域に持ち帰り、仲間と知識を共有できなければ意味がありません。
実はここが難しい。
自分の中できちんと理解できていないと、他人にも説明ができないから。
それに、数少ないメンバーの得意分野もバラバラ。
例えば、焼尻島民若手の活動として、時には大工仕事に取り組む可能性もあります。
大工仕事なんて、僕は情けないレベルで何もできませんが、島で生まれ育った人ならだいたいのことは出来てしまいます。
逆に、地域おこし関連のセミナーや研修で学ぶことは、僕しか学んでいないことなワケです。
「意見の出しやすい会議の進めかた」や「他の島々の画期的な取り組み事例」など、メンバー全体である程度共有できていないと、メンバーの中でも温度差が生まれかねません。メンバーそれぞれに強み弱みがありますが、全体的な底上げも必要。
「お互いに教え合う」「お互いに学び合う」姿勢は、小さな地域で活動する人たちほど求められているような気がします。
たとえば今年の「サフォークまつり in 焼尻」の会場設営。準備から勝手がわからず苦労しました。。
もともと僕は、どんなジャンルであれ自分のためになりそうなセミナーや研修が大好きなので、会社員時代も休日を見つけてはうさんくさいセミナーも含めて積極的に参加していました。
ただ、それをどれだけ活かすかは自分次第。
自分のためのセミナーは自己完結しても問題ないですが、今はセミナーにしろ、研修にしろ、「地域おこし協力隊」という肩書きだからこそ参加できているワケです。自己完結じゃまずい。
そんなことを感じるようになった最近は、セミナーや研修に対するプレッシャーがとても大きいワケで。
焼尻島の場合は、島民若手同士で島の今後を考えるための組織を作っているものの、僕以外のメンバーは基本的に本業があり、組織ではプライベートの時間を割いて活動しています。
「地域おこし」が本業の僕は……と考えると、ううむ。
月イチで通っている『北の観光まちづくりリーダー養成セミナー』
今になって思い返すのが、今年の2~3月あたりのこと。
地域おこし協力隊になってからまだ日が浅かった時期ですが、2~3月は雪がたくさん降ることもあり、島としてはあまり活発ではない季節です。
なので、「観光シーズンになると嫌でも忙しくなるから」という配慮もあり、冬のうちに色んなセミナー、研修に参加することになっていました。
そして実際、セミナーでの学びもなかなか充実していました。「地域資源の見つけかた」だったり「ワークショップを行うことの意義」だったり。本当に勉強になりました。
ただ問題は、その学んだことを現場に持ち帰ってもなかなか活かせなかった……という点です。
立場上、研修の機会に恵まれているだけですが、地域に戻れば先生役として自分が学んだことを教える側になる。しかし、いくら人一倍勉強していたとしても、島に戻れば一番の若手です。実績もなければ信頼もありません。
僕なりに、セミナーや研修で学んだこと(例えば、会議にホワイトボードを導入すれば、参加メンバーの発言が可視化できて効率的……など)を提案したりしたのですが、当時は何をやろうとしてもイマイチ続きませんでした。
あの時は悩んだものの、今思えば当然の話。
「突然やって来た地域おこし協力隊が、得意げに自分の知識をひけらかしているだけ……」くらいにしか見えてなかったのではないかと、今は思います。
最近でこそ、少しずつ発言なり提案なりできるようになってきましたが、僕自身まだまだ勉強不足なことだらけ。色んな分野で課題があるように感じています。
しかし、こういうセミナーに積極的に参加する権利を与えられているのは、地域おこし協力隊だからこそ。
島の外に出ることで、思わぬ繋がりとか、きっかけとかが生まれたりするわけです。
地域おこし協力隊に限った話じゃなく、焼尻島としてもそう。
島の仲間内では「刺さりにいく」と言っています。
チャンスはそうそう訪れるわけじゃないけど、目の前にある時には確実にモノにしたいね~っていう話。(この言い回しを最初に言ったのは島民若手メンバーの漁師さん。さすが漁師だなーと思いました。笑)
今ちょうど東京出張中ですが、11/20~11/25の東京出張(アイランダー2014)で知り合った人と、その翌々週の12/3(昨日)にふたたびお会いし、頑張れば島でも活用できそうなオモシロイ話を頂きました。
動くことで、また違ったきっかけが生まれる。
些細なことながら、そんなことにいちいち手応えを感じてワクワクしている自分もいます。笑
地域おこし協力隊……地域に腰を据えてじっくり取り組むのも大事、地域を出たり入ったりして新しい風を吹かすことも大事。
自分はどっちなんだろう?
今は欲張って両方とも大事にしたいです。身体もう一個欲しい。
こぼれ話というか、余談。
協力隊になる前からの知り合いで、島根県・海士町の海士町観光協会に勤める佐藤さんという方がいます。
この方は、海士町観光協会の職員として、関東圏でキッチンカーを利用した移動販売車『離島キッチン』を立ち上げました。
海士町のみならず、他の島々の商品も売るという手法で紆余曲折しながらも実績を積み、今は浅草と水戸に固定店舗『離島キッチン』を構えるに至っています。
その佐藤さんと先日都内で再会を果たしたのですが、聞けば今は、海士町観光協会の職員として『離島キッチン』に関わる一方、秋田県東成瀬村の地域おこし協力隊となり、「村内で会社を立ち上げたんだ」と言うのです。(株式会社スモールエレファント)
「えええええええええええ?どういうことですか?」と聞けば、
東日本大震災をきっかけに、地元・秋田での活動したい気持ちが芽生えたそうで、海士町、東成瀬村双方の許可をいただき、実現したとのこと。
東成瀬村地域おこし協力隊の活動としては「村の観光物産振興」されているそうで、今は自宅と呼べる建物が4つくらいあるのだとか。笑
自宅と関東圏と島根・海士町と秋田・東成瀬村とを行き来している〜なんて話をされてました。
これを真似したいワケではありませんが(ていうか、真似できませんが。笑)、こういう地域への関わりかたもあるんだな……と、凄く新鮮に感じたり。本当に正解のない仕事です。
地域おこし協力隊……地域に腰を据えてじっくり取り組むのも大事、地域を出たり入ったりして新しい風を吹かすことも大事。
自分はどっちなんだろう?
やっぱり今は欲張って両方とも大事にしたい。