アイランダーで「島としての方針」の大切さを痛感。アイランダー2014を振り返る。
全国的な暴風大雪ということで、北海道が大変だと報道されているみたいですね。道外の友達数名から「生きてる?」と安否確認を受けておりますが、実際はストーブの効いた部屋で割とぬくぬくしながら作業しております。すみません。でも、しばらく大変な天気らしいので、引き続き注意していきます。。
……っと、ソンナハナシハ\(-_\)(/_-)/オイトイテ
えーと、ちょっっっっっとさかのぼりますが、アイランダー2014の思い出話を。
⇒過去記事 『北海道縦横無尽の会、アイランダー2014に参加します。』
⇒島々の祭典『アイランダー』HP(http://www.i-lander.com/)
11/22、23、東京池袋・サンシャインシティにて開催されたアイランダー2014に、天売島、焼尻島ブースで参加しておりました。
そもそも、アイランダーとはなんぞや?と申しますと、年に1度、北海道から沖縄までの全国の島々(の代表者)が集まり、各島のPRをおこなう……というイベントです。「島々の移住定住促進」という軸のあるイベントながら、ほかにも観光PRや特産品販売、イベントステージなどもあり、毎年かなり賑やかな印象。
焼尻島民になる前の去年以前も客として遊びに行ってたくらいでして、イチ島好きとしては「全国の島々のいいとこ取りができるイベント」でした。
(一度だけ鹿児島離島関係のブースをお手伝いしたことも。。)
今回僕は地域おこし協力隊枠で天売島、焼尻島ブースに参加させて頂きました。
待ちに待ったアイランダーですから、そりゃーもうワクワクしまくりでした……が、行く前から懸念していたこともありまして。
それは他の島々のアイランダーに対する熱意の大きさ。
過去に何度もアイランダーに遊びに行っているぶん、他の島々の温度と言うか、アイランダーにかけるテンションみたいなものを、僕は何となく知っているワケです。
印象的なところで言うと、沖縄の島々の太鼓だったり、小笠原のフラダンスだったり、瀬戸内海の島々のアートなフンイキだったり。
新潟・粟島の応援団も毎年印象的だし、バラエティに富んだ特産品がずらっと並ぶ新潟・佐渡島、長崎・小値賀島、長崎・対馬も見てるだけで楽しい。
鹿児島・三島村(硫黄島、黒島、竹島)のジャンベも個人的にめちゃくちゃ好きだし、島おこし業界では先進地の島根・海士町、山口・周防大島が今年はどんなモノを見せてくれるのかもめちゃくちゃ興味がある。
天売焼尻ブースの向かいは伊豆七島がずらっと並ぶけど、伊豆七島と言えばどのブースにも可愛い女の子が1~3人はいるイメージでいつも華やか。天売焼尻?12~13人くらいスタッフがいるけど全員男やんけ!(どないなっとんねん!)
……ってな感じで、他の島々がどんな感じなのかも何となく知っていました。
お客さんとしてはこれほど楽しいことはないのですが、スタッフとして向き合うとなるとプレッシャーです。
「焼尻島として何を見せるのか」
協力隊に着任してもうすぐ1年経ちますが、何気にこの部分が悩ましい。わざわざ時間をかけて東京へ向かうのですから、漠然とPRしても仕方がないと思うのです。
思い返せば、焼尻島に来てからというもの、「この島が今後どんな島になりたいのか」「この島は何をPRしていきたいのか」という点についてはよくわからないまま、1年近くを過ごしてきました。
パンフレットや観光客が投稿したのだろうSNS(ブログとかツイッターとかフェイスブックとか)を見ると、やはり焼尻島はめん羊の島。まず最初にめん羊が目に付きます。牧場でのんびりしている羊はめんこく、他の島々では見当たらない、焼尻島だけの存在です。食べるにしても高級な肉ですから、まさに焼尻島が誇るべきブランドだと思います。
が、じゃあ焼尻島の主産業は畜産かと言えば全くそうではなく、仕事をしている人の大半が漁師か公務員かという島ですから、主産業は漁業です。島内外、誰に聞いても「焼尻の漁師の腕はピカイチだ」と聞きますし、僕も時々美味しい思いをさせてもらってます。ヤリイカもタコもウニもヒラメもマグロも……、挙げればキリがありません。
景色に目を向けても、360度海に囲まれているからこその朝日と夕日はどちらも超圧巻。素人が適当にシャッターを切ったとしても、撮れた写真は一流のそれに見えます(たぶん)。
奇木、珍木立ち並ぶオンコ原生林は季節によって、虫も花も雰囲気もころころ変わります。観光で1回歩くだけでも良いのですが、できれば毎月島に来て、毎月原生林を歩いて欲しいくらい。観光客はおろか島民でもなかなかそんな人はいませんが(笑)、毎月姿を変える原生林はけっこう見応えがあります。
……と、アイランダーをきっかけに、焼尻島について色々振り返ってみたワケですが、焼尻島も全国の島々に負けない魅力があると思います。
ただ、「羊が素晴らしいですよ」「美味しい魚いっぱい獲ってますよ」「景色も抜群なんですよ」~~~「だから島に来てくださいね」で良いのかどうか。そう考えると急にパッとしなくなる。
最初に戻りますが、「この島が今後どんな島になりたいのか」「この島は何をPRしていきたいのか」が、実は決まっていなかった。
目の前の仕事や問題に向き合い、それなりに忙しく仕事をしてきたつもりながら、ある意味この根本的とも言える部分が不透明なままだったのです。
さて、どうしたもんでしょう。
そもそもこの「島としての方針」は誰が決めるのでしょうか。島民が自発的に行うものなのか、役場が扇動するものなのか、それこそ僕のようなよそ者・協力隊の役目なのか。
……とまぁ、なんやかんや考えたりするのですが、結局ラチがあかなくなって「とりあえず自分のやりたいことをやろう」と開き直るワケです。笑
僕は「焼尻らしい島の暮らし」が好きなので、島の生活風景を春・夏・秋・冬に分けて写真集にして持っていきました。
本当はただ写真集を持っていって見せるだけじゃなく、それをネタに「観光」なり「移住」なりの話が出来ればなお良かったのですが、「島としての方針」が固まりきっていないところもあり、ちょっと自分でも迷いがあったように思ってます。
来年の課題やなー。。
冒頭で述べたとおり、アイランダー自体「移住定住促進」という軸のあるイベントながら、ほかにも観光PRや特産品販売、イベントステージなどもあり、出展離島としてもそれぞれの方針が伺えます。
焼尻の場合、過疎高齢化という生々しい現実もあり、島の機能維持が求められているように思います(あくまで僕個人の意見です)。
そんな中で「観光PRだけ」とはいかない。
「移住定住促進」も目指したいけど、まだまだこれからの段階。
イベントステージで「郷土芸能披露」なんていうのも憧れるけど、そもそも郷土芸能ってあったっけ?
……という具合で、アイランダーの土俵に立つことの難しさというか、覚悟というか、そういうものを色々と痛感していちいち刺激を受けていました。当事者目線でしかないのですが。。
だから、他所の島々の取り組みがとても興味深い。
アイランダーの意義は、自分たちのPRというよりも、他所の島々の取り組みを直に見ることができるところにあるような気がしました。
具体的な島を挙げるならば、焼尻島と同じ一部離島、ほぼ同じ面積、人口でありながら、カフェ運営や特産品開発など多方面に活発な活動が見られた山形・飛島。
島おこし組織「飛島未来協議会」や、若者を中心に立ち上がった「合同会社とびしま」など、焼尻島と同じ規模でもここまでできるのか……と、めちゃくちゃ刺激になりました。
もうひとつ印象的だったのは、今年アイランダー初参加だという山口・大津島。
元地域おこし協力隊の方が作成した島イル(「島+スマイル」ということで、島民全員の素顔を写真に撮りパネル化したもの)のインパクトがとにかく印象に残ってます。
あと、香川・さぬき粟島も。
島にデザイナーのご夫婦が移住したらしく、特産品の販売品目が増えたというお話も興味深かったですが、なにより、それらを語ってくださったブースのスタッフの熱意に圧倒されました。
自分たちの島のことにあれほどまでの熱量で語れるのは、物凄いことだと思います。少なくとも自分が見て回った限りでは群を抜いていた印象。
ブースの出展者が、展示物に対して主体的に関わっていないと、あそこまで熱く話せない気がします。
……と、とりとめもなく雑感を書きましたが、来年以降の課題がいろいろ見えたアイランダーでした。
・島としての方針は何なのか
・島として何をPRするのか
・他の島々の何を見て学ぶべきか
島好きの一般客として来場するのと、島民代表のひとりとして出展に携わるのとではえらい違いです(当然だけど)。
ただ、天売焼尻ブースに来てくださるお客さんは、「北海道のナナメ上の小さな島々に人が住んでるの?」「しかも人口200~300人って、どんな暮らしをしているの?」と興味を持ってくれた方も多く、そこで島民目線、移住者目線でお話させて頂くことの楽しさったらありませんでした。
“焼尻島民目線”は島に住んでいるからこそ話せる話。
“移住者目線”は地域おこし協力隊として島に着任した物好きだからこそ話せる話。
そう考えると、「焼尻島の地域おこし協力隊」という日本唯一の肩書きから受ける恩恵は計り知れません。
そういう人間の話をわざわざ聞きに来てくださった方々には感謝の気持ちしかないです。本当に。